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2018年06月の記事は以下のとおりです。

組換え型ナノボディーがオープンソースとして公開される

A toolbox of anti–mouse and anti–rabbit IgG secondary nanobodies

Tino Pleiner, Mark Bates, and Dirk Görlich

J. Cell Biol. 217, 1143-1154 (2018)

 

ラクダ科動物がもつ抗体でIgGに分類されるIgG2とIgG3の重鎖は、軽鎖と会合できません。

(高校生物などでお馴染みの図にあるIgG1は、軽鎖と会合して4量体のかたちで抗体分子として機能します)

そのためIgG2とIgG3は重鎖だけの二量体の状態ではたらきます。

これを重鎖抗体と呼び、他のホ乳類の抗体では見られない抗体分子です。

 

ナノボディーとは、この重鎖抗体をファージディスプレイの形で研究に利用出来るように工夫したものをいいます。 

この論文では、アルパカの重鎖抗体の遺伝子の塩基配列から抗原認識を決定する領域を取り出してファージディスプレイライブラリーを作成し、マウスの抗体と結合するファージ粒子をパニングすることで選別してます。

さらにはアフィニティー・マチュレーションという手法で、マウス抗体と強く結合するファージ粒子を選別してます。

 

どのような実験に適用出来るのか挙げると、

・HRPで標識したナノボディーやAPEXと融合したナノボディーは、一般的な二次抗体として使用可能

・IRD680やIRD800などの近赤外蛍光色素で標識したナノボディーを使うことで、Western blottingの際に二重染色が可能

・細胞染色にも遜色なく使用できる

・一次抗体と二次抗体のプレミックスを使った1ステップ細胞染色が可能

・超解像蛍光顕微鏡を使った画像取得にも使用可能

 

Addgeneからナノボディーが入手出来ます(IDs 104157–104164)。

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