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2020年07月07日の記事は以下のとおりです。

遠い昔の記憶

先日の繁藤付近の大雨の影響で、阿波池田で引き返した件で思い出したことです。

遠い過去のことで、私は小学3年か4年くらいでした。

 

7月4日から5日にかけて、高知県を豪雨が襲いました。

熱帯低気圧がもたらした雨だった記憶があり、私が住んでいた須崎市でも相当量の雨が降りました。

 

そして、大量の雨で繁藤駅近くで小規模な土砂崩れが発生。

埋まった住人がいないか巡回していた消防団員の一人を土砂崩れが襲いました。

行方が分からなくなった消防団員の捜索に地元の消防団を招集したのですが、その救助活動の真っ最中に大規模な斜面崩落が発生。

救助活動中の消防団員のみならず、作業を見守っていた周辺の住民、取材に来た新聞記者、繁藤駅に停車中の列車の乗客など、合わせて60人の命を奪いました。

記憶が正しければ最後の一人が発見されたのは翌年だったと思います。

 

崩落による衝撃は凄まじかったようで、ディーゼル機関車が穴内川の対岸の山の斜面にまで吹き飛ばされていたそうです。

そんな衝撃で人体の方もかなりの損傷を受け、ご遺体は無残な状態だったそうです。

 

こんなことを知っているのは、当時私の家は喫茶店を営んでおりまして、近所の消防署や警察署から常連さんがお店に来てました。

県は威信を懸けて最後の一人まで犠牲者を収容するべく、県下の警察署や消防署から人員を集めて大規模な捜索隊を現場に送り込んでます。

現場の惨状については、任務を終えて帰ってきた人たちから話が伝わってくるのですね。

 

私は高校を出てから県外の大学に入学しましたが、帰省の際には繁藤駅を通る訳でして、その度に崩落現場を目にすることになります。

急行列車ですと繁藤駅に停車するものもあり、駅名標には繁藤(天坪)とあったと記憶してます。

「天坪」は「あまつぼ」で、雨の集まる場所ということになるのでしょうね。

 

現在では、そんな繁藤駅を特急列車がすっ飛ばして行きますが、崩落跡は草木で覆われており、見た目ではそんな大惨事があったなんて分からなくなってます。

駅近くの公園に慰霊のモニュメントが建っているのが車窓から見えます。

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